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靴や衣服に使われている素材、ゴアテックスとは??

こんにちは!絶賛花粉症のホッケです

今回は、ゴアテックスの話しです

7種類もあるゴアテックス、自分は何を選んだらいいか迷いますよね?

ゴアテックスの歴史から、構造、選び方までまとめました。


最後にどんなゴアテックスがあっているかフローチャートにしたので見てもらえると嬉しいです。

ゴアテックスについて、かなり細やかにまとめたので参考にしてください。

ゴアテックスとは?

アウトドア用品店などで見かけるゴアテックスを使用している製品。最近ではアウトドアに限らず、機能性を重視するタウンユースな衣類や靴でも使用される事が多くなってきました。

そんなゴアテックスとは何なのでしょうか?

ゴアテックスとは、防水透湿性に優れた素材のことをいいます。ゴアテックス生地を使用された衣類や靴にゴアテックスのタグが付けられています。

防水透湿性がいいと通気性にも優れていると捉えられがちですが、透湿性と通気性は別物とされており

透湿性が高い = 湿気を逃がす :冬でも蒸れる事なく、温度を保ちながら快適性を保持します。

通気性が高い = 空気を逃がす :湿気を逃がすが、温度も逃がすため夏に涼しく着ることができます。

防水透湿性能に優れているゴアテックスですが、どれほど防水性能、透湿性能をもっているのでしょうか?

ゴアテックスの歴史

出典:ゴアテックス

ゴアテックスは1958年にゴア夫妻によてW.L.Gore&Associatesを創業された。

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)というポリマー素材の可能性を信じ研究に従事していた。

1968年 ePTFE(延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン)が誕生。この素材は水分を吸収することがないため加水分解などが起こりにくく耐久性に優れた素材であった。

1970年 ePTFE特許取得

1976年 ePTFEで作成された素材、ゴアテックスを使用した透湿、防水、防風に優れたジャケットが完成

1981年 GORE‑TEX ファイバー製の宇宙服を着用した宇宙飛行士がスペースシャトル1号機に搭乗

1990年 南極大陸横断に挑んだ探検隊がゴアテックスのアウターウェアを採用

2000年以降はプロダクトの拡大を続け、ゴアテックスプロ ゴアテックスActive ゴアテックスSURROUND
などの新しい素材が登場

2018年 ゴアテックスINFINIUMの登場、防水性より快適性とパフォーマンスを優先し多様な場面で使える製品

ゴアテックスと環境

ゴアテックスが防水透湿性能において非常にすぐれた性能をもっており、幅広い分野で使用されています。

ゴアテックスの製造過程において、環境への影響や汚染について懸念する声があがってきています。

ゴアテックスに使用されているフィルムは、有機フッ素樹脂系の素材でありePTFEだけでなく、かつてはPFOA(パーフルオロオクタン酸)やPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)などのパーフルオロアルキル物質(PFAS)が使用されることがありました。

これらは非常に安定した素材で分解されにくいため、環境中に長期間残留し、汚染の原因となる可能性があります。

PFASとは

・2000年ごろまでは様々な製品を作るのに使用されていた。
・環境中での残留性や健康影響の懸念から、国際的に規制が進んでいる。
・現在では、日本を含む多くの国で製造輸入等が禁止されています。
・自然分解されにくく、環境中に残る

出典:環境省

ePTFEからePEメンブレンへ

出典:ゴアテックス

近年、環境意識の高まりにより国際的に有機フッ素化合物(PFASなど)を使用した素材は、製造輸入を禁止する国が増加してきつつあります。

逆境にたたされたゴアテックス社は、有機フッ素化合物を使用しない、新たな素材ePEメンブレンを開発しました。

モンベルもゴアテックスやめた?って話題になったね

この新素材のePEメンブレンを使用したゴアテックス、機能性は従来品と変わらない性能をもっており、ゴアテックス社の厳しい社内基準をクリアしている素材になっています。

私たちにできる事

ゴアテックスはその高い機能性から多くの人に信頼されています。しかし、製造過程や廃棄時に有機フッ素化合物が残留する危険性が問題視されるようになってきました。

ゴアテックス社からリサイクルプログラムが立ち上がりましたが、今まで使ったウェアを大切に保管しておきたいというユーザーが多く、このリサイクルプログラムは終了となっていました。

ゴアテックスの廃棄、ごみ焼却施設で二酸化炭素とフッ化カルシウムに安全に転換されます。有害な可能性のあるガスは、汚染防止装置(アルカリスクラバー)によって処理されるため、焼却における環境への影響は少ないとされています。

手入れしながら長く、大事に使い続ける事が一番いいのかもしれないね。

ゴアテックスの構造

ゴアテックスは3層構造になっており、その中心にゴアテックスの核となるePTEFメンブレンがあります

核であるePTEFメンブレンは疎水性(水を吸収しない)多孔質(極小の孔)があいた生地となっています。
そこに、孔が埋まらないように親水性コーティングが施されており、これにより皮脂や油による汚れを防ぐことができます。

親水性コーティング ePTEFの孔が埋まらないように汚れから守り透湿性能を維持できる。

出典:PR TIMES

ゴアテックスの防水性能、透湿性能 

ゴアテックスの防水透湿性

出典:山と道ラボ(特別編)

ゴアテックス公式での公表値はなく、さすが訴訟大国アメリカですね。数値を公表すると訴訟されるリスクを避けての事かと思います。

山と道ラボに、ゴアテックスの防水透湿性能について自社調べで公表されていました。検査法はA-1法(検査法について以下に詳しく記載)です。ちなみゴアテックス社はRET法という検査方法を採用されているそうです。

ゴアテックスの耐水圧47.700mmで透湿性4.800g/m2/24hとなっていました。

防水性能の目安

ゴアテックスの耐水圧47.700mmとなっており、防水性能にかんしては嵐がきてもへっちゃら!

透湿性能に関しては親水性コーティングが施されている分、同じ疎水性多孔質生地よりも劣ります。

透湿性能の検査方法 

A-1法(塩化カルシウム法)

出典:山と道ラボ

温度40度、湿度90%に調整された装置内に試験片(メンブレン)を設置し、1時間×2セット、コップの中の塩化カルシウムがどれほど湿気を吸収して、重たくなったかを計測します。

塩化カルシウムが重たくなればなるほど、透湿性能が高いという事になります。

装置内  = 衣類内 
コップ内 = 屋外  
この試験は、衣類をきて激しめの運動した際に近い環境を模倣しての検査です。

A-1法で出された数値は、着心地に直結することがわかるね。

ファイントラック:エバーブレス はこの検査法を使用しています

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B-1法(酢酸カリウム法)

出典:山と道ラボ

A-1法とは違い、酢酸カリウム溶液を吸湿材として使用した検査方法です。
水を張った水槽に直接、試験片を通して吸湿材を設置します。

A-1法は実際の着用時を模倣した検査法ですが、これは試験片(メンブレン)の最大透湿量を検査する事ができます

直接水と接触しているため数値が高く出やすいです。
実着用を想定した検査ではないため、数値の高さの割に蒸れを感じる事もあるため注意が必要です。

特に、親水性無孔質生地では、非常に高い数値がでやすく、数値と使用感にギャップを感じるかもしれません

モンベル、ミズノがこの検査法を使用

タグを見たときに、数値のでかさに騙されにくくなるね。

RET法(発汗ホットプレート法)

出典:山と道ラボ

35℃に設定された熱板の上に水を張り、試験片(メンブレン)を置いた際の熱板の消費電力量を測定し、水蒸気透過抵抗及び温熱抵抗を算出します。

ホットプレート = 人の体温を模倣 
人の体温によって発散される水蒸気の量に最も近い検査方法です。

この検査法ででた数値は、一般的な人が服を着て軽く運動した際の発汗、水蒸気量を反映した数値が算出されます。

ゴアテックスがこの検査法を使用

ゴアテックスの種類と選び方

種類レイヤー説明
PRO3層もはや着る鎧
プロが極地で使用を想定した作り
無印3層オールラウンダー
トレッキング、ハイキング、普段使いと幅広く使用できる
ACTIVE3層スポーツ向き
通気性に優れている
PERFOPRMANCE2.5層(中核の内側にコーティング)軽くて柔軟
快適な着心地と動きやすさ
PACLITE2層軽量コンパクト
収納性を重視、ザックの片隅に入る
PACLITE+2層軽量コンパクト
PACLITEに若干の防水耐久を+
WIND STOPPER2層耐風、雨に弱い
タウンユース向け

ゴアテックスの選び方

ゴアテックス選択フローチャートを作成しました。ウェア選びの参考にしてみてください

まとめ

今回はゴアテックスシリーズについてまとめてみました。

結構頑張りましたww

僕もゴアテックスはちゃんと調べないとと思いながら、調べていたら結構没頭してしまいました。検査法の落とし穴やゴアテックスが7種類もある事など、説明されないと分かりません。

決してゴアテックスだから、最強だろという先入観で買うものではありませんね

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この記事を書いた人

もとも岐阜県、現在は富山県在住の中部地方を中心に遊んでるアウトドア人です。キャンプ、登山、渓流つりなど季節にあわせて遊んでいます。ちょこちょこっと、山菜を採ったり、キノコを採ったりと自然につかるのが大好きです。